トイレのバリアフリー化
トイレを介護用にリフォームする場合、介護する人の視点だけで介護しやすいだけのトイレにではなく、介護される人が使いやすいトイレにリフォームすることも、とても重要です。
トイレをバリアフリーにする場合、最初に考えておきたいのが「トイレの場所」と「トイレへの経路」です。 ここでは、高齢者向けトイレリフォームの改修を考える5つのポイントをご紹介します。
手すりを取り付ける
手すりを設置することで立ち座りや移動の動作がしやすく身体への負担が少なくなり、より長く自立した生活を続けやすくなります。
スペースや身体状況にあわせて適所に手すりを設置しましょう。
トイレ内の手すり取付け位置
➀
出入り用縦手すり
出入り口付近はドアの開閉や出入りの際など、身体のバランスを崩しやすい場所です。身体を支えられる縦手すりを設置すると安全です。
➁
移動用横手すり
便器側面の壁に出入り口がある場合や、便器までの距離が長い場合、トイレ内を安全に移動するための横手すりを設置すると安全です。
③
立ち座りサポート・座位保持用手すり
便器側面にL型手すりを設置すると便座への立ち座り動作がラクになります。また、便器から前方の壁が近い場合、便座の正面に横手すりを設置すると便座への立ち座りがラクになります。
トイレに取付ける主な手すりの種類
【室内用木製手摺棒】
35mmと32mm径の手摺棒があります。ディンプル(くぼみ)付の手摺棒はしっかり握りやすいので握力の弱い方にもおすすめです。実際に使用する方が握りやすい太さを選ぶことが重要です。
【インテリア・バーシリーズ】
抗菌加工でインテリア性の高い手すり。滑りにくく加工された2種類のグリップから選べます。
【紙巻器一体型の棚タイプの手すり】
手のひらやひじで身体を支えられるため握力の弱い方にも安心です。
手摺と一体型のタイプもあります。
床固定タイプの手すり
身体の状況に合わせて、さまざまなバリエーションを選べる機能的な手すりです。
【設置イメージ画像】
トイレの様式を変更
転倒事故が最も多いのは,しゃがんだり立ち上がる時に身体のバランスを崩して起こるものです。腰掛け式か,据え置きカバー腰掛けなどで身体への負担が少ない和式から洋式に変更が望ましいです。
洋式便器(腰掛け式便器)
コンパクトで掃除のしやすい一体型や、故障の際の負担の小さく機能の組み合わせが自由な分離型の便器があります。
【イメージ画像】
【イメージ画像】
スワレット(TOTO)(据え置きカバー腰掛け便器)
スワレットは、ロータンク式の和式便器を大掛かりな工事なしに洋式の便器へ交換する事ができます。
簡易的な洋式便器ではありますが、ボウル面まで洗浄しますので、清潔さを保つ事ができます。プラスチック製ではなく、便器と同じ陶器製になります。
【便器へのセットした例】
※便座は別売になります。
※洗浄管からスワレットへの分岐工事・床に穴を開けて本体を固定する工事が必要です。
座高を変えて立ち座りをサポート
座面を高くすることで膝にかかる負担を軽減し、立ち座りをラクにします。
特に膝関節に可動制限のある方、リウマチ等により関節を曲げにくい方におすすめです。
温水洗浄便座付き補高便座
温水洗浄便座で補高機能の付いた便座です。
補高の高さは3㎝と5㎝のタイプがあります。
【便器に便座をセットした例】
◆リモコン付きタイプなら、スイッチ操作がしやすく、体の負担の少ない位置に設置ができます。
補高便座
今お使いの便座に取付けて、座面を高くします。
やわらか補高便座
便座に置くだけで、必要のないときは簡単に取り外せ、水洗いができいつも清潔です。
出入り口の段差の解消やドアの変更
出入り口の段差を無くする、引き戸や折戸でドアの開閉の動作がラクになります。
フラットレール
敷居を撤去した後に設置するレール。
敷居両側の高さが同じ場合、違う場合にも対応可能なラインナップが揃っています。
高さ調整式スロープ
段差、敷居はそのままに12~44mmの高さ調整が可能なスロープです。
段差に合わせたスロープは1mm単位でセミオーダーも可能です。
ベッドサイドにトイレを隣接させる
昼夜を問わず使用頻度が多くなり,我慢し難くなります。
トイレがすぐ近くにあることは,安心ですし心強いものです。
ベッドサイド水洗トイレ ( )
➀家族や介助者への気遣いを軽減
➁バケツによる排泄物処理が不要
人の手を借りずに用が足しやすいため誰にも気兼ねがいりません。
水栓トイレのため、排泄物の後始末が不要です。においが残りにくく、脱臭機能も付いています。
③移動の負担の軽減
ベッドのすぐそばに設置できるためラクに移動でき、介助される側、介助者両方の負担が軽減されます。